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【タイ転職/体験談】大企業を1年で退職し、タイ転職を選択した「ケータさん」の挑戦

リョータ
アジラボ編集長/Co-Founder リョータ

タイ/バンコク在住。自身の海外就職・移住の経験をもとに「海外で生きる日本人がもっと輝ける世界」を実現するために、アジラボを立ち上げる。キャリアコンサルタント(アジア)←元戦略コンサル(タイ/ベトナム)←新卒NTT(インド駐在)

先日ご好評頂いたインタビュー記事を受けてアジラボ運営メンバーにジョインしました、こうき(@coki_ichicawa)です。

日本での大手広告代理店、ベンチャー勤務を経て、現在はタイで働いています。大企業、そして日本でモヤモヤしている人たちに向けて発信していきますのでよろしくお願いいたします。

インタビュー記事はこちら

ところでみなさん、「辞める」ということをネガティブなことだと思っていませんか?

この記事で紹介するケータさんは、高校を1年時に退学後、ムエタイ修行のためタイに留学。これだけでも十分なチャレンジャーですが、新卒で入社した企業も8ヶ月で辞めてタイに就職してきました

ケータさんは「辞めることはリスクではなく次の場所で頑張ってその選択を正解にすればいい」といいます。

今回のインタビューはそんなケータさんの「辞める」、そしてその後の行動に迫っていきます。現在いる環境を続けるか辞めるかどうか悩んでる人に是非読んでいただきたい記事です。

(※ケータさんと私は以前同じ会社に勤めていたのでフランクに接しています)

プロフィール

<経歴|ケータ>

慶應義塾大学総合政策学部卒。長く続けてきた部活を辞めたことを機に、高校を1年次に退学し、タイのインターナショナルスクールへ留学。その傍らムエタイ戦士としても活躍。卒業後は慶應大学に入学し、オーストラリアに留学するなど海外へ思いを馳せ続ける。国内の証券会社に新卒就職するも、入社後8ヶ月で退職しタイに渡る。現在はバンコクのコンサルティング企業にて活躍中。

辞めることはリスクじゃない?キックボクシングのため高校を辞め渡タイ

ー 高校時代タイに留学しながらムエタイやってたんだよね?具体的にどういう経緯だったの?

高校に入って部活をしていたのですが、1年弱で退部しました。退部したころからキックボクシングを習い始めてて、一度タイのジムに2週間合宿に来たんです。そしたら飯が全く合わないし練習きついし2度来るかと思ったんです。

ー 俺もタイで練習してたからよくわかる。気候も食事も環境が全く違うところでハイレベルな練習ってめっちゃきついよね笑

そのあと日本に帰ってきて、本気でやるならと一念発起して高校を退学してタイに来ることにしました。その頃は身近にK-1で活躍してたHIROYA選手がタイで住み込みで練習していたのでいいモデルでした。

タイで試合をするケータさん

ー 高校1年で退学でムエタイでタイって結構尋常じゃないけど家族とか周りは反対しなかった?

親もやりたいことがあるなら挑戦しなさい、といって応援してくれました。

ー なるほど。学校と練習って結構たいへんだと思うんだけど、一日のタイムスケジュールはどんな感じ?

朝5時半〜起床
6時〜7時ランニング
7時半ホームルームスタート
15時終了、そこからすぐ帰って18時、19時まで練習、
その後夕飯食べて家庭教師が来て21時まで家庭教師、その後就寝。という感じでした。

ムエタイ修行時のケータさんの1日

英語が最初全くわからなかったので授業も何言ってるか全くわからず、家庭教師の先生にフォローしてもらっていました。

でも、高校退学して挑戦しきったこの経験があるから「辞めることはリスクではない、その後頑張って正解にすればいい」と、のちに思えるようになりました。途中で違和感を感じたり、他によりやりたいことができたら次に行けばいいんじゃないかなと

大学進学のため帰国、「ムエタイロス」でやりたいことを模索する大学生に

ムエタイ経験者同士、つい話が盛り上がります

ー すげーな、練習だけで精一杯だったよ俺は。そこから言語が全くわからい環境で学校なんて俺は絶対ムリだな。そのあとタイの大学に進学っていう選択肢もあったと思うんだけど日本の大学に進学しようと思ったのは?

タイはもう練習がきついところってイメージしかないので、そのときは帰りたかったですね(笑)

タイに帰国子女の大学受験塾があってそこで帰国子女用の入試のための勉強しました。毎年一定数日本の大学に送り出しているような塾だったんです。タイにいたというのは珍しがられて結果慶應に入学することができました。

ー 練習がきつくてもうタイにいたくないってのはめっちゃわかる!でもまた来たくなるのがタイの魅力なんだよね。大学でもムエタイは続けなかったの?

大学まで1時間半かけて通ってたんです。キックボクシングはバイトくらいでしか触れてませんでした。キックボクシングではなくムエタイをやりたかったんです。(注:キックボクシングとムエタイは同じように見えて全く別物なんです)

タイのお客さんと日本のお客さんは全く視点が違うので「タイでやってたのであいつあんなんかよ」と思われたくないプライドも正直ありましたね。日本に帰ってきてタイのランキング戦の話があったので休学してタイに行きたい思いも少しよぎりましたが、やりきった感はあったので普通の大学生という感じで遊んでいました。

ー 普通の大学生に戻ったんだ。

日中授業してバイトしてその後遊ぶような普通の大学生でした。一方で、時間もエネルギーも全てを注ぎ込んで来たムエタイから離れたあと、ありあまるエネルギーを向ける場所を探して色々動いてました。

でも、なんかしないとなっていうもやもやはありましたが、自分が注ぐものがなかなか見つけられれず、将来海外にいくなら英語かなと思い留学を決めました

オーストラリアの留学プログラムに参加して、9ヶ月英語を勉強して、その後3ヶ月マレーシアでインターンしました。マレーシアではホテルに入っているような高級日本食料理屋でマーケティングをやっていました。

といっても3ヶ月なのでできることは限られてますが。大学に対しては半年休学・半年留学という形で留学中の単位は反映してもらっていました。

外資系企業主宰のインターン時のケータさん(一番右)

最初からベストな選択などない。決めたことをあとから正解にすればいい

ー 就職活動はどんな感じで進めてたの?

正直自分が何したいのかは定まっていませんでしたね。ただ、海外で働いてみたいっていうのはありました。

タイの現地採用も最初から見ていましたが、日本の会社も経験したかったという思いもありました。

そんな中、銀行のセミナー受けたときにお金の流れのしくみを知り、金融業界に興味を持ちました。内定が出たのは金融と海外に行けるようなコンサルでしたが、より会社自体に勢いがあったのと兄が証券会社にいる影響もあり証券会社に決めました。

ー 証券会社に入るときにこれだけやったら海外に行こうというのはあった?

あまり考えてませんでしたが、どこかで海外に行きたいという思いはありながら入社しました。その時からなんとかすれば海外に行けるという思いはありましたね。

日本人は辞めることにネガティブに思う人は多いですが、やめたあと頑張ればいいんじゃないかという思いはずっとあります。

いつどこにいくかわからない駐在なんでいやだ。自分の力でタイ就職

ー ではどういうきっかけでタイに来たの?

4、5年して海外いけるような会社にも入ろうとも思いましたが、いつになるかも場所もわからいので、現地採用でタイに来ました。タイに来たのはムエタイ以外にタイのことを知らなかったのでもっと知りたかったという思いもありました。

それから、自分を追い込む意味で就職先が決まる前に退社しました。入社した年の12月です。あとがないとやらないタイプなんです(笑)

1月に内定をもらって2月にはタイに来てました。特に金融という軸に絞っていたわけではなく日本とタイの架け橋になるような仕事をしたいと思ってましたね。

ー 実際に働いてみてどう?

金融機関の人とお会いすることが多いですが皆さんすごく聡明でMBA持っている方も多く、そういう意味では日本とものすごいギャップを感じます。日本にいたら絶対会えない層の方々とお会いできますが、日本の同じ層の方より優秀なんじゃないかと思います

そういった人たちとより繋がるために、タイ語は勉強しておけばよかったと思ってます。

あとは「日本ではこうだけどタイでは〜」と、仕事をする上での日本とタイの違いを耳にすることもよくありますが、そもそも日本での就労経験が半年くらいなのでそういった面での違和感はあまり感じませんでしたね。

タイに就職してからのケータさん

“石の上には2年” 自分の人生を生きる

ー 今後はどうしていくの?

どこかの企業に勤め上げるという概念は持ち合わせてないので、2年は頑張ってみようと思います。石の上にも3年といいますが、自分の中では “石の上には2年” なんです

自分の中で2年間は頑張れてそのあと次に進んで道を拓くというのは、ムエタイ時代に実証されているので(笑)

30歳とか40歳で考え方は変わるかもしれませんが、今は経験を積む時期だと思っているので今の会社も自分のキャリアの一部だとしか思っていないですね。

一方で、1社を勤め上げている自分の父はすごいなと思います。

就活時代は人生の結婚だとまわりは行ってましたが、全くそうは思わないんです。タイのインターナショナルスクール時代、担任が一年で3〜4人変わってきたのを目の辺りにしてきましたし、全然結婚とかじゃないんですね。

特に予定はないんですが、まず2年は頑張ってみて次を決めようと思います。

会社をやめることが悪いことだと思っていないですし、他人の人生は生きたくないですから

ー 2年後にもう一度話を聞きたいね。 今日はありがとうございました!

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