Siam Paragon近くの風景

皆さんが、住む国や働く国を決める上で「治安」って気になりますよね?

それが長期であればあるほど、家庭を持つようになればなおさら押さえておきたいポイントの1つに入るかと思います。

それでは具体的に

「治安」ってなんなのでしょう?

何がそれを構成し、どのような定義を持つのか考えたことがあるでしょうか?

今回はそんな、みんなが知っているようで実は知った気になっているだけかもしれない

「治安」について指標を交えながら一緒に探っていきましょう。

治安の定義

まずは治安の定義から見ていきましょう。

引用によると治安(Public Security)とは、
社会統制上の概念であり、国家による統治が安定的に遂行されていること

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/治安

また、英語においても

Public security is the function of governments which ensures the protection of citizens, organizations, and institutions against threats to their well-being – and to the prosperity of their communities.

https://www.definitions.net/definition/public+security

とされています。

つまり

世間一般的にみて「治安」とは


➀概念であり➁政府が➂国民の幸福(well-being)を侵害するものを➃統制しているか否か


という定義がなされていることがお分かりになるでしょう。

それでは、明確な定義を紹介した上で、どのような尺度がその「治安」を決めうるのか

ものさしを見て見ましょう。

世界平和指数

「治安」を語る上でよく参考にされるのがこの

世界平和指数(以下GPI:Global Peace Index)と呼ばれるものです。

これは「平和」という曖昧で概念的なものを

世界平和研究所(Institute for Economic and Peace)が視覚化したものです。

詳しく見ていきましょう。

GPIはそもそも2007年に「国内(外)で起きている軋轢(問題)の度合い」を測ることで

「平和」を測ることを名目に作られました。

項目(indicator)は23個に分けられ、項目によって比重(weight)も決められている、1つの指標(index)です。

それでは「平和」の項目には何があるのでしょうか?

それが以下になります。

①内戦の数や長さ


②死者数(対外)


③死者数(対内)


④対外紛争における数・長さ・役割


➄内戦の激しさ(intensity)


⑥隣国との関係

⑦犯罪の認知件数


⑧難民の数及び人口に対する障がい者の割合


⑨政治の安定度


➉治恐怖の尺度


⑪テロの影響


⑫10万人ごとの殺人件数


⑬暴力事件の度合い


⑭暴力的運動の可能性


⑮10万人ごとの刑務所内人数


⑯10万人ごとの警官数

⑰軍事費が占めるGDPの割合


⑱10万人ごとの武器所有者数


⑲10万人ごとの武器交換時輸入者数


⑳10万人ごとの武器交換時輸出者数


㉑国連の平和保持活動貢献度


㉒核兵器や類似の危険武器所有度


㉓軽武器へのアクセスのしやすさ

https://www.science4all.org/article/can-we-measure-peace-the-global-peace-index-gpi/

先述の通り、それぞれにそれぞれの比重や分け方があり

特に2、3、5、6は非常に大きなウェイトを占めます。

上記の表の比重の大きさを表します

更にinternalな軋轢とexternalなそれとでは前者の方が60%、後者が40%と冒頭で定義した

「治安」の「国内の秩序」という意味にフォーカスが当てられていると言えます。

海外安全ホームページ

日本における「治安」の尺度という意味では外務省が作成する

海外安全ホームページが役に立つかと思います。ご参考までに!

https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/index.html

これらは、外務省や在外公館が収集した現地治安情勢から

渡航や滞在に際して安全上の問題ある国・地域を対象に 危険の度合いを4段階で示したものです。

さらに概況、詳細な地域情勢、滞在にあたっての具体的な注意、問い合わせ先なども発表されます。

「レベル1:十分注意してください。」
その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。


「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」
その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。
渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。


「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」
その国・地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。
(場合によっては,現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。)


「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」
その国・地域に滞在している方は滞在地から,安全な国・地域へ退避してください。
この状況では,当然のことながら,どのような目的であれ新たな渡航は止めてください。

尚、感染症情報については別途情報公開されます。

https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/index.html

タイにおける治安

それでは、タイの「治安」はどうなのでしょう?

上述したGPIでは、2018年対象国163カ国中113位と前年より7位ランクを上げました(治安が良くなった)

参考までに日本は同ランキングで9位です。
(http://visionofhumanity.org/app/uploads/2018/06/Global-Peace-Index-2018-2.pdf)

それでは、海外安全ホームページではどうでしょう?

タイ全般で見ると、殆どの地域が危険レベル0です。

しかし、バンコクの一部の地域及びナラティワート

ヤラーを含むタイ深南部地域はレベル1、レベル2の危険レベルが示されています。

(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_007.html#ad-image-0)

在タイ日本国大使館によれば、タイ深南部地域においてイスラム武装勢力が関係すると思われる銃器

爆発物を使用したテロが、月平均約27件発生しているそうです。

さらに、これら地域の犯罪件数は増加しており

治安当局とイスラム武装勢力、仏教徒間の抗争継続による

公共施設や商業施設周辺での発砲銃撃、爆弾事件も発生しています。

https://www.th.emb-japan.go.jp/jp/news/anzen_q3_2015.htm

どうやら、

「治安が良い国」とはお世辞にも言えないようですね。

どのような犯罪が起こるの

➀窃盗

特にバンコクにおいて多いのがこの窃盗です。日本にいるような感覚でカバンを置いて席を取るような行為を行うと当たり前のようにスられます。さらに、バスやBTSやMRT等の公共交通機関内等でもスられることが多いため注意が必要です。

②詐欺・ぼったくり

タイ語が話せない人はこの対象になりやすいです。例えばタクシー!メーターがたまにいじられていることもあるのでご注意ください。更に、ワット・アルン、ワット・ポー周辺で多いのが詐欺です。例としては、王宮が閉まっているという嘘をつき、チャオプラヤー川を廻るツアーをしてあげると提案することで300バーツ程をせしめるということが挙げられます。

詳しくは在タイ日本国大使館の発表する以下が参考になります。

https://www.th.emb-japan.go.jp/jp/news/anzen_q3_2015.htm

タイの所得格差

どうしてこれら「治安」があまり芳しくないのでしょう?

その理由の1つが「タイの所得格差」です。

ある記事によると…

タイではトップ20%の高所得者の収入は、ボトム20%の低所得者収入の平均12.8倍(2008年、UNDP調べ)にものぼるということだ。タイには、10バーツ(約25円)、5バーツ(約12円)の差にこだわって暮らしている人もいれば、平気で何百万、何十万バーツ(100万バーツ=約249万円)を使う金持ちもいる。
この「リッチェスト5分の1/プアレスト5分の1」の貧富差比率は、東南アジア諸国でも9~11倍、欧米では4~8倍といわれるから、タイの貧富の差はあまりにも大きい。

そして、貧富の差に過去20年で改善は見られない。人口の6割の人間が、国民総所得の4分の1しか得ていないことになる。トップ2割が、半分以上の55%を手にしているのだ。

http://kinbricksnow.com/archives/51763586.html

ここから分かるように、所得格差はタイにおいて

無視できない社会問題の1つです。

さらに、この理由の1つとしては、タイに根付く「学歴社会」という側面も

参画しているといえるでしょう。

日本国民の皆さんは、おおよそ想像できるかもしれませんが、「タイにおいて、良い大学を出たら良い会社に勤められて高収入を得られる」というのは変わりつつあるにしろ、まだまだ事実と言って良い事象です。

つまり、最高学府チュラロンコーン大学を筆頭にタマサート、カセサート大学等の所謂「高学歴」人材は高収入を得ることができ、その子供も必然的に良い教育を受けられるという仕組みになっています。そのサイクルが続くにつれ目に見えない壁。エリート層と貧富層の壁は、よりいっそう強固なものとなるでしょう。

実際バンコクの道端やスラム街では物乞いをしている人々がいます。

しかし一方で、毎日両親に車で送り迎えをしてもらい

高級なレストランに通うタイ人がいることも僕は知っています。

どちらが幸せで不幸せなのか、そんなことはここでは問題ではなく、事実として、現状としてタイの状況がこれであり、故に治安があまり良くない国となってしまったのかもしれません。(詳しくは別の記事で)

最後に一言

今回はみなさんがごくごく自然に使っている「治安」という言葉を、その意味まで司ることで再確認し、信頼しうるリソースを開示しました。「治安」が何からできているのか?特にタイにおける「治安」について、理解が深まっていただけましたら幸いです。

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