アジア発の日系人事・組織コンサルティングベンチャー「Asian Identity」

昨今、アジアにおける中国・韓国勢の台頭もあり、「日系企業のプレゼンス」が問われている。

競争力について議論する上で、「アジアで戦える強い組織をつくること」は重要な要素の一つであろう。そこで今回は、アジア発の日系人事・組織コンサルティングベンチャー「Asian Identity」のCEO中村さんに話を聞いた。

<取材・編集> リョータ(アジラボ)

Asian Identity Co. Ltd. CEO&FOUNDER 中村勝裕

バンコクを起点にアジアに特化した人事・コンサルティングファームAsian Identityを経営。ネスレ、リンク&モチベーション、グロービスを経て現職。タイを拠点としながらアジア各国でのコンサルティングや講演活動を手がける。バンコクにおいてタイ人向けビジネス漫画「SuSuPim! (がんばれピム!)」を執筆、販売。
Twitter:Jack Nakamura

人事・組織コンサルとはどんな仕事?

 ー どんな事業をされているんですか?

中村:タイをベースに、アジアを舞台に人事・組織コンサルティングを行っています。

人事・組織コンサルというと、企業向けの「研修」や「セミナー」といった目に見える部分がフォーカスされがちですが、いわゆるセミナー会社とは少し違います。

例えば、クライアントのニーズや組織形態に合わせて、人事制度、給与制度の構築や改善を行ったり、あとは企業の「理念」にまつわることを扱うことが多いです。

例えば、「組織・国をまたいで企業理念や、カルチャーを浸透させていきたい」であったりとか、「じゃあそのために、まずはマネージャー層が理解し、そこからどう社員に伝えていくか」といったところまで落とし込みます。理念があってもなかなか浸透していないケースは、特に海外の場合は多いんですね。

なので、これは一回セミナーをやってすぐ浸透するような性質のものではないので、長いものでは2年くらいの長期スパンのプロジェクトで取り組むこともあります。

 ー それだけ長く伴走するということは、クライアントの組織についてかなり深く理解する必要がありますね。そもそもその組織の一員じゃないのに、外部の立場からそれを浸透させていくって難しくないですか?

中村:おっしゃる通りです。その企業の一員に「なりきる」くらいのつもりで取り組む必要があります。

その会社の歴史を勉強したり、経営者と徹底的に話し込む中で、その会社のことを深く深く理解します。

日本企業の場合は、日本に行ってその会社の創業の地を訪れたりすることもあります。理念というのは場所に宿っていますから。

それらを通じて「その会社の従業員以上に、その会社の本質を理解する」ということに近づいていきます。すると、「実は、こういう風に伝えたほうがタイ人の気持ちに届くのでは?」ということに想像力が湧いてきます。

このように、クライアント企業さんのご要望に対して、文脈や背景をくまなく理解すること。

「信頼が大事」「社会へ貢献する」など企業理念とは抽象度が高いものが多いですが、そういった抽象度の高いものを言語化するというところが、我々にまさに求められるところです。

なぜ「アジア × 人事・組織コンサル」なのか?

 ー なぜ中村さんはこのタイの地でそういったことに取り組もうと思ったんですか?

中村:前職のシンガポール駐在員時代にタイにもよく来ていたのですが、「これだけ日系企業が進出しているにも関わらず、組織の中がうまく行ってる日系企業は思ったよりも少ない」と感じたんです。

日本人はタイ人の文句を言ったり、タイ人はタイ人で会社にいろんな不満を持っていたり、大きな溝があるなぁと。

タイは人も良く僕も大好きですし、親日国でせっかくいい関係なのに、タイ人から日系企業のイメージが悪くなるのは勿体無い。

ただ一方で、日本人はダイバーシティや異なる文化になかなか踏み込めない特性があるので、組織をなんとかすることでそれを救う役割を担いたいと思い、Asian Identityを立ち上げました。
強い組織を作る上で、日本人とタイ人がそれぞれの良さを生かし尊重し合うことが重要だと考え、「ハーモナイズ(調和を取る)」というのをAsian Identityの企業理念の一部に掲げています。

 ー なるほど。中村さんご自身がAsian Identityのチームづくりで大切にしていることは?

中村:クライアントをサポートさせていただく上で、ただ外からアドバイスをするだけでなく、我々Asian Identity自身もそれを実行していくことが大事だと思っています。

例えば、クライアントのマネージャーに「部下を使うのではなく生かすのだ」と言っても、実際に僕自身がそれをできてなかったら説得力が出ないじゃないですか。

だから、僕自身も現地に根ざしたそういう組織を作ることに取り組んでいます。

”Walk the Talk(言行一致)” “Show the Example (例を見せよ)” という言葉をよく使うのですが、「自分たちはできてるのか?を常に問い続けよう」とうちの社員にはいつも言っています。

あとは、「日本人だけで経営しない」というのも心がけています。起業するときに「絶対にNo.2を日本人にしない」と決めました。

人事 x 「異文化 / 異言語」= 難易度はぐっと上がるがそれが醍醐味

 ー 常に日本人の募集をしているとのことですが、どのような方と一緒に働きたいですか?

中村:違う言語や文化の中で組織を変えて行くことって、日本人同士の組織でやるより何倍も難しいんです。

一方で、その課題や難しさに向き合えることが面白い部分でもあり、醍醐味でもあるので、それを楽しめる方と一緒に働きたいと思っています。

また、「良い組織を作るサポートがしたい」という人事コンサルの方はたくさんいらっしゃると思いますが、それを「自分たちの組織でもやる」というのもAsian identityならではの特徴なので、そこに魅力を感じてくださる方であれば尚嬉しいですね。日本にいては得られない、文化を超えたプロジェクトマネジメント力もつくと思います。

 ー 具体的に、どんなポジションを募集しているんですか?

中村:今考えているのは、主に2種類ですね。


一つ目は、経営層と対峙できるシニアコンサルタントとしてプロジェクト全体統括や、マネージャーを任せられるような方。一定程度の人事関連業務やコンサルティングの経験がある方だと嬉しいです。

2つ目は、もう少し若手で営業やお客様対応を任せられる方。経験というよりも海外や異文化に思いがあり、成長欲求の高い方を求めています。

いずれも一定の英語力は求めたいですが、最終的にはスペックというよりは人物重視で探しています。

この仕事はタイにいることの重要性が高い仕事なので、当然ゆくゆくはタイに拠点を据えていただきたいと思っていますが、コロナ禍でもありますし、すぐに移住することは簡単ではないので、最初はリモートでもOKです。

ぜひ、この人事・組織という分野で、アジアを舞台に一緒にチャレンジできる方からのご連絡をお待ちしています!



【募集に興味のある方】Asian Identity若手社員への密着ドキュメンタリー

新卒入社で活躍する若手社員の物語も、YouTubeアジラボチャンネルで公開中です。

Asian Identityの成長環境や、中村さんの育成方針なども語ってもらいました。働くメンバーや社風について興味のある方はぜひご覧ください!

Asian Identity Co. Ltd. 

アジアに特化した人事コンサルティングファーム。 「アジアの人々の良さを生かした強い組織づくり」を目指し、 タイを中心に顧客企業の支援に取り組んでいる。

Tel. +66-2-115-9655

Email: info@a-identity.asia

Web: http://asian-identity.com

M Thai Tower 5Fl., Unit 2A, All Season Place, 87 Wireless Rd., Pathumwan, Pathumwan, Bangkok 10330

リョータ: アジラボ編集長。タイ・バンコク在住。20代で4カ国勤務を経験し、現在は海外就職に関する発信&キャリア支援を行う。『海外で働く・生きる』のリアルを発信 ■大学純ドメ体育会→挫折&留年→バックパッカーで海外に目覚める→新卒NTT&インド駐在→海外就職で戦略コンサル→現在