サワディーカップ。アジラボ編集局です。

現在我々の住んでいるタイは、日本人の海外就職先の中でも長きに渡り人気を誇り、現在も就職希望者はあとをたちません。

でも、情報収集はしているのだけど生の情報に触れる機会が少なく、なかなかリアルなイメージが描けない・検討が本格的に進まない、という方も多いのではないでしょうか?

そこでこの企画では、”タイ就職のプロ” に求職者のリアルな質問やお悩みをぶつけながら、疑問点をクリアにしていきたいと思います。

相談に乗ってもらうのは、”タイでの日本人紹介で8年の経験を持ち、タイ国内で一番日本人の就職に立ちあってきた” まさにプロ中のプロ、アデコタイランドの前田さんです。

この記事はこんな方向け

・タイ就職を検討中の方

・タイ在住でタイ国内での転職を検討中の方

本企画第一弾のトピックは、誰もが気になるであろう「給与面」に対する求職者の方のお悩みについて、相談に乗ってもらいました。

コンサルタントプロフィール

<経歴|前田 健太さん>

同志社大学経済学部卒。新卒で大手証券会社への就職を経て、大手人材紹介会社へ転職。その後アデコタイランドへの入社とともにタイへ移住。タイでの日本人紹介1本で約8年間の経験を有する。

相談内容:「今の職場での給与に満足できず、転職を考えているのですが、自分の経験や年齢で果たして給与アップを見込めるのか不安です」

今回の相談者は、現在タイで就業中のAさん。

<プロフィール>Aさん
  • 26歳男性/タイ人と婚約中
  • タイ在住歴:2年
  • 現在の所属:日系製造業 営業職
  • 経歴:大学を卒業後、日本で小売業界を経験したのち、タイ就職。渡航後タイ語も勉強し、業務で使用できるレベルまで到達。
  • 現在の給与:6万バーツ|希望給与:8〜10万バーツ (※1バーツ=3.6円/2019年11月4日時点)
Aさん

「現在タイの日系製造業に務めていますが、直属のタイ人上司に昇給を打診したところ、会社の規定上これ以上は難しいと言われました。これから家族も増えるし、しっかり昇給/キャリアアップが見込めるところへ転職したいと思っていますが、希望の給与がもらえるのか不安です。実際の相場観や自分にどのくらいの価値があるか、現状を知りたくて相談しました。率直な意見をいただけたら嬉しいです」

前田さん:

ご相談ありがとうございます。

早速で恐縮ですが、正直に申し上げますと、ご希望の水準はかなり相場とギャップが大きいと感じます。

ただその水準の内定を獲得する事が不可能、というレベルではもちろんないです。

しかしながら入社時から相場を大きく上回ったオファーを出された場合、一般的には必ずしも手放しでは喜べない事情があるケースも少なくないです。

どういったことかを順を追って説明をさせていただきます。

まずは給与がどう決まるのか?を知る(高額オファーが出る2パターン)

前田さん:

まず高いオファーが出る事例の典型的な例が、

① マーケットでもニーズが高く、且つ高いレベルの能力もしくはスキルが評価されたケースです。

例えば射出成型の技術者や、営業部隊の管理職、等、タイで必要とされている職種で、且つ難度が高いとされる技術やスキルを持った方の場合は給与が必然的に高くなります。

ただA様の場合はまだお若いため、そういった突出したステータスはまだ備えていないため、上記の様な形で高いオファーを狙う事はできないのですが、もし高いオファーを狙うことができるとすると、

② 大きな期待を寄せられている求人で内定が出るパターン だと考えられます。

必ずしも給与が高い=喜ばしい、という方程式ではない

Aさん
「ほう。。どういうことでしょうか?」

前田さん:

ただこの② 大きな期待を寄せられている求人で内定が出るパターン場合、正直良い話ばかりではないです。

例えば一つ目に、期待されているノルマが高く達成が難しい求人であったり、もしくは離職率が非常に高い職場で、とどまり続けること自体のハードルが高い求人、であったりすることがあります。

上記の例は極端で且つネガティブですが、必ずしもネガティブな場合ばかりかというとそうでもなくて、例えば景気が良い状況であればネガティブな要素はなく、純粋に人手が足りないため、優秀な方にはいくら払ってもいい!という状態になります。

ただ現状はタイの日系企業のマーケットは全体的にトーンダウンしてしまっているため、あまりこういうケースも最近は見なくなったというのが問題です。。。

あともう一つ大事な視点がありまして、

仮に給与が高いオファーが出て、特にネガティブな事情もなさそう、という案件であったとしても、あまり高い給与で入社すると周りからの期待が必然的に高くなり、特にタイ人の方々からの目線が厳しくなる、ということが想定されます。

本来であれば各社員の給与の情報というのは他の社員が知る事はあってはいけないのですが、タイはかなりそこらへんの取り締まりが緩く、(経理の人間から漏れてるんでしょうか。。)

自分の給与はタイ人の方々につつぬけ、と考えて頂いたほうがいいです。

Aさん
確かに。。 言われてみればそんな感じもしますね。

前田さん:

例えばA様と同じくらいの年齢で、且つ入社3〜4年目のタイ人の社員がいたとして、

恐らくタイ人ですと給与は3万バーツ~4万バーツ程度、どれだけ高くても5万バーツ程度だと仮定して、

数年勤めて貢献してきたにも関わらず、入社したての同い年が自分の2倍近くの給与をもらっていることを知ったら、それが日本人だとしてもあまりおもしろくおもわないでしょう。

A様でしたらご理解頂けると思うのですが、そうなるとタイ人社員からのあたりが強くなり、タイ人の方々からの協力を仰がないといけない立場であればあるほど仕事がしにくい状態になってしまうことが懸念されます。

そして試用期間をパスするか否かの査定の際も、最悪下手すると給与が高いから試用期間が通らなかった、という事態にもつながってしまうかもしれません。

現にそういった理由でリストラにあった方を私はこれまで数多く見てきました

ちなみに上記の様なタイ人からの目線を気にしなくていいケースというのが実はあります。

それは会社の規模が小さく、ワンマン社長的な体制の会社です。

こういう場合は全体のバランスや調和を気にせず社長の言い値で給与を決定することができるため、大きく相場から外れた思いもよらないオファーができることがあり、こういう場合は上記のような限りではないです。

ただイメージできると思うのですがこういう場合はこういう場合でまた別の問題があったりしますので、なかなか就職活動というものは難しいものです。。。

このように、給与が高くなるパターンは今回記載させていただいたケース以外にももちろんあるとは思うのですが、私の体感としては傾向としては今回記載させていただいたパターンが多い、という形でしょうか。

入社時のオファー額だけでなく、きちんと昇給が行われるか?も大事なポイント

Aさん
なるほど。タイで長く働いているとその状況はよく理解できる気がします。では、今回の転職ではどんな基準で企業を選ぶべきでしょうか?

前田さん:

給与は高いに越したことはないため、高いオファーを目指して就職活動に取り組むこと自体は問題ないと考えますが、

上記の様な弊害やリスク要因があるため、必ずしも給与が高い=喜ばしい、という方程式ではない、という点を念頭に置いていただいたうえで給与については考えて頂いたほうがいい、という形になります。

ちなみに私から一つアドバイスをするとするのであれば、

今回の転職では大きな給与アップをはかるよりも、昇給がしっかりと行われる職場を探すことをお勧めいたします。

といいますのも現在の職場が健全ではない理由は6万バーツという給与水準が低いから、ではなく、“定期昇給が行われない”という点である、と考える為です。

そして個人的にはA様はまだ若いため昇給をしながら例えば8万バーツを目指す、という目標はそこまで難易度は高くなく現実的な取り組みだと考える為です。

こうすることによって、ご自身がどの程度企業に貢献できるのか、を時間をかけながら確かめ、徐々に適正な値に給与を収束させていくことができます

それに対して最初から給与が高い状態というのは、その水準が適正かどうかがわからない中で給与設定をしてしまういわばギャンブルの様な取り組みです。

もちろんギャンブルは負けることだけではなく勝つこともあるのですが、それをA様が望まれているか否かが大きな焦点になってくるかと思われます。

ちなみに私の中でA様のご年齢とご経験ですと給与は恐らく未経験のお仕事であれば5万バーツ~6万バーツ、経験がある、もしくはタイ語が高く評価されるお仕事であれば6万バーツ~7万バーツくらいが相場だと予想しているのですが、

恐らく私の予想を聞くより求人票を数多く見て頂く方がより相場観が見えてくると思います。

もし私の方で作成するオーダーメイドの求人リストを見てみたい、というご要望がございましたら、お気軽にご相談下さい。

Aさん
よくわかりました。ありがとうございます。

【まとめ】

今回の相談を通し、ネット上やブログでは得られないとてもリアルで具体的なお話を聞くことができました。

また、通常人材紹介会社に相談をしても、ここまで率直で具体的なアドバイスをくれることはなかなかないのではないかと思います。

まだタイでの就職/転職を具体的に決めていない段階でもフランクに相談に乗っていただけるとのことでしたので、興味のある方は是非お気軽にご相談ください!

またこのコーナーでは随時、求職者さんのお悩み相談に応じ、不定期で第二弾以降も企画していきますので、どうぞお楽しみに。

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