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タイで就職する前に知っておきたい正社員と契約社員の違い

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タイで「契約社員としての内定」が出たら、どう捉えるべきなのか?

タイで就職・転職をする際に「契約社員」という形で内定が出ることもある。特にこれまで正社員でやってきた人は「なぜ正社員じゃないのか」と不安になってしまう人もいるだろう。

みなさんは、そもそも契約社員と聞いてどんなイメージをお持ちだろうか?

例えば、正社員と比べ何か「守られていない」気がする、雇用される期間が決まっている、任される仕事の範囲が違う、正社員と比べて福利厚生が充実していないなど、いろいろなイメージをお持ちだろう。

しかし、タイで日本人が契約社員として雇用される場合は、実は日本の契約社員の定義とはちょっと違う。雇用条件面においては、正社員とは大きく変わらないこともあるようだ。

タイと日本の契約社員の違い

日本における、契約社員と正社員との違いについてはこんな記載がある。

契約社員という名称は、法律上の言葉ではありません。正社員が定年までフルタイムで働くことを前提とした「無期雇用」であるのに対し、契約社員は契約期間が決まっている「有期雇用」の非正規社員のことを指します。つまり、正社員と大きな違いは「有期雇用」であることです。労働契約期間は通常1年で更新され、契約期間が満了した時点で、契約を継続する場合も、継続終了する場合もあります。

~【プロが教える!】契約社員と正社員の違いとは?正社員になりたい場合に確認しておきたいこと(リクナビNEXT)より~

https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/15902/#i

日本においての主な違いは、「雇用期間が決まっているか否か」であるようだ。

と、ここでだ。「1年毎の更新」と聞いて何かピンときた人はいないだろうか?

そう、タイでの日本人の雇用というのは「B(ビジネス)ビザ」「労働許可証」に基づいている。例外を除けば多くの場合は1年毎の更新で、更新ができなければタイで働くことは必然的にできなくなる。

またそれに加えタイの場合日本と大きく異なる点は、正社員であろうがなかろうが解雇金を払えば実質解雇は可能であるという点だ。

ということはだ。そもそも正社員であったとしても、タイで働く日本人の多くはビザ・労働許可証更新制の「1年更新の有期雇用社員」ということもできるだろう。

では、日本人を雇用する上で正社員も契約社員も大きな違いがないタイにおいて、なぜ日本人をわざわざ「契約社員」という名目で雇用する必要があるのだろうか?

タイの日系企業が日本人現地採用を契約社員として採用する理由

1)社内の給与規定では採用できないような良い人材を「例外」として雇うため

このパターンは、給与テーブルがある程度決まっている大手企業に多い。

年齢や経験である程度出せる給与が決まっていて、そこを越えてしまうと「なぜあいつだけあんなに高い給与をもらってるんだ?」「同じ年齢や経験の自分はこれしかもらっていないのに」と、社内のタイ人から批判的な目で見られてしまうことは、日系企業、特にローカル化が進んだ企業では良くあること。日本人の給与はやはり相対的にタイでは高い。これはタイ人と日本人の給与格差を正当化する「苦肉の策」とも言えるだろう。

しかし、どうしても既存の給与の枠組みでは採用できない人材もいる。例えば高給を払ってでも欲しい人材を採用したい際、そういったタイ人からの批判を避ける名目として「契約社員」を使う。

たとえば通訳のタイ人がいい例。一般的に日系企業のタイ人通訳の給与は比較的高いため、テーブルに乗らない。

要するに、「この人は別枠での採用だよ」「みんなとは違う契約社員形態なんだよ」としておくことで、例外として一般的な給与規定から外すことができるのだ。

入社後の流れとしては「契約を更新し続けるケース」と「試用期間をなくして1年契約にまずして、将来的に正社員登用するケース」の二つがある。

2)入社して終わりではなく、しっかり働いてもらうための手段として

これは、いわば「見せ方」として契約社員を使うパターンだ。「内定もらって満足、ただいるだけじゃダメですよ」「ちゃんと結果出してもらわないと困るよ」というのを示すために、契約社員という言葉を使う。なぜなら日本人は契約社員と聞くと「ちゃんと正社員にならなきゃ」という心理が働くからだ。しかしタイの場合、そもそも日本のような「終身雇用」などという概念はない。特に何もしなくてもずっと会社にいられる保証なんてどこに行ってもないのだ。

それに法律・制度上、契約社員であっても実際に正社員より解雇しやすいわけでない。先述の通り、タイの場合は正社員であろうとなかろうと解雇金を払えば解雇することが可能という面においては何も変わらないからだ。正社員雇用だから安心、なんてことはないし、そう思って安心されないように「期待値のコントロール」手段として契約社員を使う。

まとめ

まとめると、タイにおいて契約社員としてのオファーが出たところで、実質上他の正社員の日本人と比べてネガティブに捉える必要はない。それよりも「終身雇用なんてない」「ビザ・労働許可証を獲得するためには必要とされなければならない」こういったマインドセットをしっかりと持っておくことの方が、タイで生きて行くためにはよっぽど重要ではなかろうか。

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