こんにちは、ASIA CAREER LABO(アジラボ)編集長のリョータです。
この記事では、
- 将来は海外で働くことや、グローバルなキャリアに興味がある
- まだ明確にはわからないが、視野を広げるために海外インターンを経験してみたい
そんな海外志向はあるものの、将来について漠然と悩みを抱える大学生や就活生に向けて書いています。
また、もし将来実際に海外で働くとしたら、
- 新卒で海外に出るべきか?
- 日本で経験してから出るべきか?
- そもそも現地採用ではなく、駐在を狙うべきか?
上記のような不安を持っていることでしょう。もちろん正解はないし、ベターな選択肢は人それぞれです。
そこで本記事では、実際に学生時代にタイでのインターンを経験し、就職活動を経た結果、新卒海外就職に踏み出した先輩のリアルな現状に迫り、みなさんの将来について考えるきっかけになればと思います。
INDEX
プロフィール(三宅 基文さん)
《プロフィール|三宅 基文》山口県出身/早稲田大学法学部卒。学生時代にWantedly、Adecco Thailandでそれぞれ約半年間のインターンシップを経験。その後新卒海外就職を実現し、2019年4月、学生時代にインターンを行った人材紹介会社のAdecco Thailandに入社。現在は日本人採用を行う日系企業の新規開拓営業や、タイでの就職を試みる日本人へのキャリアコンサルタント業務に従事。新卒入社半年ながら、少数精鋭の組織に身を置き、自身の成果がダイレクトに業績に反映されるやりがいを実感する日々。
【大学入学】早々に自分の “視野の狭さ” を痛感。何クソ魂に火がつく
ー まず、地元ではどんな学生生活を送っていたのですか?
山口県の田舎で高校生までを過ごしました。 進学校のサッカー部に所属し、いわゆる文武両道に取り組む高校時代でした。
勉強もそれなりにはしてきたつもりなので、運良く指定校推薦で早稲田大学への入学が決まり、今思えば特に大きな苦労もせず順調な高校生までだったと思います。
同じ寮に住んでいた「凄いやつ」との出会いがターニングポイントに
ー 大学生はどのように過ごしましたか?
サークルにも入っていなかったので、今一つ大学にも馴染めないというか、物足りない感じでしたね。
学生寮に入っていたのですが、同じ寮生に学生起業家がいたんです。 学生ながらに挑戦をしている彼は人としても尊敬できる存在で、大きな刺激を受けたと同時に、何か取り残されているような感覚がありました。
彼に少しでも追いつきたい思いが強く、2年生の後期から彼の事業を手伝わせてもらうことにしました。 意気揚々と乗り込みプロダクトの責任者を任せてもらったのですが、特にビジネスの経験もない僕は事業を潰してしまいました。
これまでヤバイ!と思うような大きな失敗もしたことがなかったので、初めての挫折体験だったし、何より尊敬できる彼に迷惑をかけてしまった、期待に応えられなかった自分が情けなく、悔しくてたまりませんでした。
困難な状況も、認められたい想いが支えてくれた
ー それは辛い経験ですね…。その挫折を、どうやって乗り越えて行ったんですか?
ありがたいことに、彼は僕のことを責めず、むしろ励ましてくれたんです。 「インターンとかに参加して、経験を積んでみなよ」という感じで。
本当に心が広いやつですよね。こうして失敗した自分を受け入れてくれる彼のようになりたいし、彼に認められるようになりたいという思いが自然と芽生えました。
ここでやらなかったら男じゃないなと。 それで、情報収集し、ベンチャーでのインターンをすることになりました。
【大学時代】複数のインターンへ参加。着実な成長実感と良き大人との出会い
失敗から学び、愚直に取り組むことで未来が開ける
2年生の12月からの半年間、人材ベンチャーのWantedlyで、新規営業職のインターンをスタートしました。 先輩社員にみっちりと基礎を叩き込んでいただきながら、少しずつできるようになっている感覚がありました。
最初からうまく仕事ができたわけではないですが、何より自分の中に常にあったのは、友人起業家の事業でやり切ることができなかった「不完全燃焼感」でした。
だからこそ、小さいことで折れている場合ではない、今度は絶対にやり切った感覚を得たい、じゃないとあいつには絶対認めてもらえない。それが大きな原動力になっていました。
ー なるほど。そのあとタイでの海外インターンも経験されたんですよね?
はい。 Wantedlyでの半年間で割と自分でもやり切った感覚があったので、次に打ち込めそうなことを探していました。
そのまま就活を迎えることもできたのですが、もっと自分の力を試してみたかったし、学生時代にやってみたいことの一つである「海外経験」がどうしても諦められず、大学5カ年計画の許可を親からもらい、休学を決意しました。
僕は学校の成績があまり良くなかったので(泣)、 交換留学には応募できそうになく、海外インターンを探しました。 そんな中人材紹介会社のアデコタイランドにインターンの内定をもらい、半年間休学し、タイへ乗り込みました。
“視座をあげてくれた大人たちとの出会い” 周りに流されず物事を客観的に判断できる「物差し」ができた
ー 学生時代にインターンをしてみて得られたことはありましたか?
「学生のうちから社会人と接する機会をたくさん持てたこと」ですね。
人に恵まれて、今でも変わらず尊敬できるような方と出会えたし、逆にこんな大人にはなりたくないと思うこともありました(笑)
でもそんな状況の中で得られたものはたくさんあって、「学生にして社会人の視点でものを見る機会をたくさん作れたこと」 はその後の自分の人生にとっても物凄く大きかったです。
何かこう、自分の置かれた状況を冷静に客観的に眺めてみたり、あの社会人の先輩だったらどうするかな?と想像してみたり。 だから、同級生が話している内容が子供っぽく思えたり、良くも悪くも達観して物事をみるようなクセがついていたと思います。
こうしているうちに、気づいたら自分の中に「大人としての物差し」みたいなものができて、 曖昧な情報を鵜呑みにせず、本質は何か?を考えてみたりとか、常識を一度疑ってみたりとか、何事も自分で考えて判断するようになっていきました。
【就職→現在】周りからしたら非王道な就活。でも、自分の物差しで決める
ー 就活はどのように進めましたか?
僕は正直あまり世間一般的な就活はあまりしていなくて、、複数のインターンをやってみて、それ経由で入社ができればいいなぁくらいに考えていました。今思えばだいぶ甘い考えですが(苦笑)
性格上、予測できないことや不確定なことをあまりやりたくないというのもあって、自分もよく知っていて、相手も自分を理解してくれている組織で働けるのがベストだと思っていたからです。
実際に就活してはみましたが、案の定しっくりくる選択肢があまりなく迷っている中、タイでインターンをした頃の上司に相談をし、就職することにしました。
納得できたのは、学生時代にやれることをやりきった感覚があったから
ー かなりレアケースな就活ですね(笑) でも、新卒で海外就職することに対し迷いが出てきたり、周囲と比べて焦ったり、意思が揺らぐことはなかったんですか?
そんなになかったですね。
まず、実際にインターンで働いた経験があり、上司や仕事内容もある程度理解しているし、自分の中では成長できそうなイメージが持てていたので。
僕の中では、世間一般的に安定と言われている大企業に入ったとしても、知らない環境で一から何か作って行くことの方がむしろリスクというか。
周りの情報や意見に流されずしっかり状況を冷静に客観視し、判断できていたと思うし、あとは何より、学生時代にやりたいことは100%やりきった中での結論だったので、すんなり納得できたのだと思います。
【今後】将来像を明確に描くより、自分で決めた目の前のことに打ち込めば道は開ける
もちろん、将来に対する不安が全くないわけではないです。
例えば、親が歳をとってきたらどうしようとか、年金や保険はどうしようとか、あとは日本にいる仲の良い友人と会えないとか。だから、今後ずっと海外にいるのか、日本に戻るのかは今はわかりません。
でも、先のわからない将来に漠然と悩んだり、信頼できるかもわからない情報に振り回されるよりも、僕はまず目の前のことに精一杯取り組んで、結果を出して認めてもらうことを繰り返していけば、自ずと良い将来につながっていくと思います。そう思えるのは、過去の経験のおかげです。
学生時代にできることをやりきった結果、就職でも納得のいく選択ができたし、インターンでも愚直に取り組んだからこそ、いい大人と出会うことができ、その価値観に刺激を受けながら自分の物差しを作ることができました。そんな感覚というか確信があるので、これからもその信念を貫いていきたいです。
取材を終えて
終身雇用の崩壊、複業解禁など従来の働き方に変化が起きつつある時代の中で、「自分の中でどんなキャリアが正解なのか?」それを見えている人はそういないはずです。
見えない将来のことに悩んだり悲観したりするくらいなら、今の自分にとってしっくりくるベターな選択をし、それを正解にしていくことこそが、不安定な時代を切り開く上で大切なマインドなのでは?と気づかされました。
新卒で海外就職すべきか?についても、賛否両論ありますが、これも結局のところ正解はないのだと思います。ただ、三宅さんのように目の前のことに真摯に取り組み、結果を出し、着実に次のステップに進むことを体現してきた若者であれば、国内海外問わずどんな環境であれ、道を切り拓くことができるのではないかと思います。
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